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携帯小説とケータイ小説

小学館きららのメールマガジンを取っているのですが、それを見てびっくりしました。

自分の名前が載ってるんですよ。

いえ、まあ例の毎月やってる携帯小説の公募の、選考結果に自分の名前もあっただけなんですが。



前に自分の名前を見かけたのは、よく憶えてないのですが、たぶん10ヶ月くらい前でしょう。

この10ヶ月間、ずっと落選し続けていてようやく執念が実ったというのならちょっとした美談ですが、実態はただ単に出していなかっただけです。

言い訳をすれば国家試験とかがあったからなんですが、実際には単なる飽き症のせいな気もします。



ともあれ、久方振りの携帯小説。

まだ受賞したわけではありませんが、選考に残ってとりあえず安心している、のかと言うと、案外そうでもありません。

というのも、実はこの結果を見るまで、自分でも小学館に小説を送ったことなどすっかり忘れていたんです。
(だからこそ、最初に書いたように「びっくりし」たわけです)

そういえば、深夜のノリで「久しぶりに出してみるかー!」ってなって、勢いで何か書いたような、そんな気がします。

……過去の、真摯に投稿をしていた自分に顔向けできませんね。

とにかく、そんな自分でも忘れていたようなものが、うっかり選考に残ってしまったわけですよ。

一体どんな文章であっただろうとメールフォルダを漁って改めて読んでみたのですが、これがすごく酷い。

本当に、酷いとしか言い様がない。

拙いとかそういうんじゃなく、ひたすら内容が酷いんです。

『尻穴ピアニスト』というタイトルから、その酷さがうかがえます。

なんで編集部はこれを選んだのかよくわかりません。

もう公募に出してしまった以上、これは紛れもなく自分の作品ですし、その内容についての責任は負うつもりですが、できればこのまま落選して闇に消えて欲しいと思っているところです。

……反省して、来月は久しぶりに(約一年ぶりか)真面目に何か書いてみよう。



* * * * * *



話はちょっと変わります。

先日、詳しくは知らないのですが、なにやらケータイ小説の大賞か何かが決まったみたいで。

その作品が、何やら話題になっていたので少し見てみました。

『あたし彼女』ってやつです。

あれこれ説明するよりは一見に如かず、というわけでプロローグだけ転載してみます。

-------------------------

アタシ

アキ

歳?

23

まぁ今年で24

彼氏?

まぁ

当たり前に

いる

てか

いない訳ないじゃん

みたいな

彼氏は

普通

てか

アタシが付き合って

あげてる

みたいな

-------------------------

いやはや、なんというかすごい文体です。

句点や読点が全くなく、改行を多様することでリズムを構成しています。

段落という概念もないのですが、これはケータイ小説特有の改頁を利用することでそれを補っているみたいですね。

何よりすごいのは、助詞を極端に排して、代わりに「○○?」「まぁ」「てか」「みたいな」などの特徴的な表現をひたすらリフレインしているところです。

軽薄の一言で済ませるべきものかもしれませんが、これはこれで新しい文体を確立したと評価するべき気もします。

ケータイ小説というものはどうにも苦手でほとんど読んだことなんてないのですが、ここまで開き直った文体というのはこれまでなかったんじゃないでしょうか。

こんなの誰にでも書けると言えばその通り。

でも、その「誰にでも書ける」ようなスタイルを作り上げることは、誰にでもできることじゃありません。



僕は、夏目漱石という作家は近代日本小説の文体を作り上げた人物だと思っています。

いえ、もちろん漱石一人が行なったことではなく、同時代の様々な作家の手を経てのものでしょうが。

ただ、英語的な文章の構造を日本語に取り入れ、口語体の書き言葉という新しいスタイルを作り上げ、それを浸透させた一番の立役者は、やはり漱石であると認識しています。

なんというか、今回の『あたし彼女』ショックは、それに近いものがあると思います。

口語表現を書き言葉に取り入れ、それまでの書き言葉とも話し言葉とも違う文体を作り上げたという点は共通していますよね。

作家個人の手によるものでなく、時代の流れや他の作家による類似の努力によって必然的に世に出てきたという点も似ています。



何より、漱石の代表作と書き出しが似ているんですよ。

吾輩

ネコ

名前?

まだない

てか

ある訳ないじゃん

みたいな



……みたいな。

ごめんなさい、ただこれがやりたかっただけです。

さんざん引っ張ってまでやるネタではなかったですね。

既にどこかでネタが被っている可能性も大ですし。

少し反省。



『あたし彼女』が新しい文体を呈示した点は評価に値するとは思いますが、それだけですね。

とりあえず、ケータイ小説よりは携帯メール小説の方が好きです。

これは、自分がお世話になったという私情を差し引いても、です。

比べること自体ナンセンスなくらい別物な気もしますが、名前が似ていますからね。

一方のケータイ小説だけがやたら知名度が上がって、少し困っています。

きららの携帯メール小説で大賞を頂いたことはあまり周りには言っていないのですが、ときどきどこかから漏れ聞いてくる人がいます。

そういうとき、僕がケータイ小説を書いていると勘違いされているんじゃないかと、いつも気になって仕方ありません。
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by cos_ary | 2008-09-29 23:34

iPhoneがver2.1にアップデート

iPhoneを使い始めて2ヶ月近く経過しました。

とにかく、製品としてはとても優れていて、もの凄く良い買い物をしたと思っています。

が、人に薦めたいとは思いません。

なんというか、すごく人を選ぶ製品だと思います。

販売開始当初の過熱も収まり、現在では逆に「iPhone販売は苦戦」みたいなニュースも見られますが、そもそもそれでこそ健全です。

これは、一部のニッチなマニア向けのコンセプト製品であって、万人が使うようなものではないです。

Appleはそのことを自覚しつつ、長期的な視野でシェアを拡大していくことを見据えているように見えるので結構なんですが、一般的にはこの「iPhoneは一部のニッチなマニア向けのコンセプト製品」という考え方は浸透していないように思えます。

たぶん、マスコミで大きく報道されすぎたのが原因なのでしょうが。



iPhoneは信者とアンチがいて、賛否両論が激しく繰り広げられているんですが、どっちの言っていることも正しいんですよね。

iPhoneはすごく画期的なプロダクトで洗練されていて、他の追随を許さないというのも事実であれば、機能の制約が多く必ずしも使い勝手が良くないというのも事実です。

だから、結局はその製品に何を求めるかですよね。

新しいインターフェイスと洗練されたデザインを楽しみたいなら必ず満足のできる製品でしょうし、逆にいわゆる「ケータイ」として使いたい人には不満の大きい製品になるでしょう。



それにしても、ここのところよく見かける言説に

「iPhoneには絵文字付きメールもなければ、ワンセグもおサイフケータイもついていない。Appleはあまりにも日本市場をリサーチしていない」

というものがあるのですが、これは的外れにもほどがあると思います。

iPhoneは、世界標準の仕様だからこそ意義があるんですよ。

世界中どこで買っても、同じ製品が買えるところに意味がある。

国ごとにハードを変えないからこそ、世界規模でのサービスが享受できるわけですよ。

だから、わざわざ日本だけのために、ワンセグだの絵文字メールだのといった機能を搭載するはずがないんです。

(今後、それらのサービス規格が世界標準となれば話は別でしょうが)

こういう的外れな意見を頻繁に目にするほどiPhoneが一般的な知名度を得た、ということなのでしょうかね。



さてさて、そんなiPhoneのソフトウェアが、このたび2.1へとアップデートされました。

電池の持ちが良くなったり、安定性が向上したりと色々な改善がなされているようですが、やはり日本のユーザにとって一番の関心は「日本語入力環境」です。

とにかく、初期の日本語入力環境は惨憺たるものでした。

ひどいときには一文字入力するのに10秒くらい待たされるし、そのままメーラやブラウザが強制終了されることはざらだし、漢字変換の精度も超へっぽこ。

こればかりはどんな狂信的なiPhone信者でも「こいつはいただけない」と口を揃えていた部分です。

それが今回のアップデートでかなり改善された模様。

とりあえず「普通に使える」くらいのレベルにはなったようです。

これはめでたい。

しかし、進歩には代償がつきもののようですね。

今までは、例えば「Amazon」と入力しようとしたときに、「あまぞ」の時点で「雨空トッポライポ」が予測変換の候補に挙がっていたのですが、今回のバージョンアップでこの単語は予測変換辞書からバイバイしたみたいです。

当然と言えば当然のことですが、なんだかもの寂しいですね。

他にも、予測変換のツッコミどころは大量にあったのですが、軒並み改訂されているようです。
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by cos_ary | 2008-09-13 00:43

かっこいい!

電車で向かいの席に乗っていた女子高生がすごくかっこよかったんですよ。

何がって、車内で読んでいた『ジャンプ』の最後のページを閉じるタイミングと、電車がホームに着くタイミングの見事なまでの一致ですね。

本当に完璧で、惚れ惚れしました。

毎週の習慣で培った能力なんだろうなあ。
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by cos_ary | 2008-09-08 19:35